陰翳礼讃

神代植物公園梅園内にある数奇屋造りの休憩所の連子窓から見える梅。(3/5撮)
日本人の精神性や美意識を、陰翳という切り口から書かれた谷崎潤一郎「陰翳礼讃」を思い出す。

「われわれ東洋人は何でもない所に陰翳を生ぜしめて、美を創造するのである。(中略)われわれの思索のしかたはとかくそう云う風であって、美は物体にあるのではなく、物体と物体との作り出す陰翳のあや、明暗にあると考える。夜光の珠も暗中に置けば光彩を放つが、白日の下に曝せば宝石の魅力を失う如く、陰翳の作用を離れて美はないと思う」。(本文より)

物そのものではなく、物と場の相対的関係から生じる美。

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